ASDが接客をすると~頭の中を解説~

メンタルヘルス

私は約1年半ほど某飲食店でキッチンスタッフとして働いています。

キッチンの仕事を選んだ理由はもちろん接客が苦手だから。ここ最近イベントバイトの物販の仕事やレストランのホールなどを経験し、接客もできないこともないということが判明したものの、ずいぶん昔にスーパーのレジのバイトをしていた時に緊張からなのか他人の目を気にしすぎたせいなのか、レジのお決まりフレーズである

「いらっしゃいませ~」

「ありがとうございます」

などの言葉を言う時だけ声が出なくなった経験があります。

それ以来接客や人前に立って何かを発言することに対してトラウマ級の苦手意識を持っています。

そのため、今回飲食店で働くにあたってホールかキッチンを自分で選ぶことができたので、もちろんキッチンを選んだのです。

そしてこれまで、人前に出て何かを発言するという危険な行為をすることなく比較的安全地帯で仕事をすることができていました。

…が、しかし

ここ最近、そんな安全が脅かされる提案が店長の口から言い渡されました。

「コロナの影響で小さいお子さんがいるパートさん、なかなか仕事出てこれなくなっちゃったんだよね~…由紀子さん、ホールやってくれない?」

入れ替わりが激しい飲食店のバイト。

1年も務めていればベテランといわれるようになります。そして、大学生や主婦といった短時間ワーカーが大半を占めるこの業界では、私のようながっつりとフルタイムで働けるフリーターは重宝されるらしく、ありがたいんだか迷惑なんだか様々な仕事を教えてもらえます。

そしていよいよ、「ホールをやれ」との指示が下ってしまったのでした。

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できなくはないけど苦手…ホールをアスペがやった場合

キッチンで共に働く人たちのほとんどはキッチン専属の従業員なので、私だってもちろんホールを断ることもできます。

ましてや私の場合、冒頭でもお話ししたような接客に対する不安要素を抱えているためむしろ自信をもって「嫌です」というべきだったのかもしれません。

ただ、ここで私の邪魔をしてきたのがプライドです。

やれと言われたことを断りたくない

ここでできないと言ってがっかりさせたくない

少しでもいいので認められたい

といった類の思いが私の中を駆け巡り、結果ホールの仕事をやることになったわけです。

で、どんな風になったかを記しておきたいと思います。

場面に適した言葉が思い浮かばない

私はよく、普段とは違うシチュエーションでどのような言葉を使えばよいかわからない時があります。

例えば、会計をする際に

「お会計でよろしいでしょうか?」

までは何となく思いつくけどそのあとに何を言えばよいのかがわからないのです。

うちの店では会計伝票のようなものをお客さんにレジまで持っていってもらい会計をしてもらうシステムなのですが、その際の適切な言い回しにいつも悩むのです。

なので結局、

「じゃあ…これを…」

みたいな歯切れの悪い感じになってしまうため、自分でも若干奥歯にものが詰まったような感覚に。

今までに経験したことのあるシチュエーションであればどのような言葉を使ってどう相手に接すればよいのかがわかるのですが、接客の仕事というのはイレギュラーの連続のため、私の中のセリフストックが追いついていかない状況です。

そのため、これを打開するにはほかの人がお客様対応しているときにどのような言葉を発しているのかを聴き耳を立て、

「なるほど~、こんな感じのセリフを言えばいいのか」

と、シチュエーションごとの語彙を増やしていくしかないのです。

日々勉強なのです…。

…面倒くさい。

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接する人それぞれの気持ちを読もうとする

ホールをやっていると、1時間の中で何組ものお客様と接して会計なり注文なり諸々の対応をしなければなりません。

そのたびに別々の人と顔を合わせやり取りをするのですが、その際に知らず知らずのうちにやってしまうのが、

「この人、怒ってないかな…」

といったように、相手が何を考えているのか、どんな気分なのか、感情を読み取ろうとしてしまいます。

これは普通の人でも接客をする人であれば当たり前のことなのか、もしくはいちいち相手の気分なんか読もうとしないのが普通なのかわかりませんが、この”人の感情を読む”というのが結構疲れます。

というのも、対人恐怖症風な面を持ち合わせているため、呼び出しをしたお客様に声をかけるときも相手が怒ってる前提で恐る恐る声をかけます。

半分のお客さんは優しくご機嫌な感じで接してくれるので安心できるのですが、もう半分は日本人特有のポーカーフェイスな感じでドライな印象の方々になります。

相手がいまいち何を考えているのかがわからない私は、笑っていたり声色が優しくない限りはみんな怒ってみえるのでめちゃくちゃ疲れる。

今はまだASD特性としてこういうのがある、ということがわかっているために、

「無表情でもすべての人が怒ってるわけではないのだ…」

と、自分に言い聞かせて気にしないようにすることができるので良いのですが、これが発達障害の診断が下る前だったら、いちいち気にしていたことと思います。

すぐに落ち込む

そして、こういった諸々のことを繰り返し、その他にも様々なトラブルや失敗、うまくいかなかったことが積み重なっていくため、一日が終わるころにはめちゃくちゃ落ち込みます。

まだホールの仕事が慣れていないということもあるのでしょうが、慣れていない状態にもかかわらず、完璧を求めすぎてしまうために、

「ちゃんとできなかった自分はやっぱダメなヤツ」

このように、自己肯定感をめちゃくちゃ下げるに至るのです。

あまりがんばらない

ホールをやってみて悪いことばかりを書いてしまいましたが、中には良いことも。

私は周囲の人から認められたいという承認欲求がバリ強いため、常に周りの人(同僚・上司)の目を気にしながら仕事をしています。

しかしホールへ出ると、自分の周りにいるのは同じ仕事をするスタッフよりも初めて顔をあわせるお客様の方が多いという環境になります。

そのため、同じ仕事をするほかのスタッフの目を気にしたり、仕事のできる・できないを比べずに済むため、そこらへんは少しお気楽に仕事ができそうな予感。

とはいえ、私にとってはあまり頑張って仕事をしすぎないことが重要なのです。

おそらくホール行を命じられたのも、対人恐怖だったり人前で声が出なくなるパニック症状、イレギュラー場面にとことん弱い特性を持っているといった訳ありな部分が知られていないが故のことだと思います。

なので、周りに伝えていない分、自分でしっかりとブレーキをかけることが今後の課題になっていくわけです。でないと、知らぬうちに自分の中の限界を超えていて

「…仕事、辞めよう」

といういつものパターンになってしまうので。

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